現在、区は、従来の児童館事業を発展させ、子どもの成長段階に応じた切れ目のない子どもの居場所づくりを進めています。
近年、保育園に続き学童クラブの需要が大幅に増加し学童クラブに待機児童が発生し、また、乳幼児親子の居場所のニーズも増えています。こうした状況で、既存の児童館スペースで0歳~18歳までのサービスを拡充するのは難しく、児童館の主な4つの機能(学童クラブ、小学生の居場所、乳幼児親子の居場所、中高校生の居場所)を移転し、それぞれ充実されています。それぞれの機能は「子ども・子育てプラザ」や小学校内の学童クラブ、放課後等居場所事業などに引き継がれ、児童館が果たしていた機能が無くなることはありません。このように成長段階に応じた切れ目のない子どもの居場所づくりが進んできているのです。
非常に人気で、利用者は、子ども・子育てプラザで5倍、放課後等居場所所業では2倍になっています。区では今後、子ども・子育てプラザを7地域に2か所(計14か所)整備する計画です。
子ども・子育てプラザは乳幼児親子を主な利用対象にした施設ですが、小学生以上の子どもも利用できるようにスペースを設けています。一方、学校に行かない子どもの対策では課題があると考えており、今後、経験豊かな職員を核とした受け皿を作り対応したいと考えています。
既存の児童館施設で、学童クラブの急激な需要増や乳幼児親子のニーズに応えるためには、新たに土地を確保し、児童館の増築、新設等が必要となります。学童クラブの需要はこの10年で1.5倍となり、その需要に応えるには相当数の増築、新設等が必要であり、国や都の財政支援はわずかな区の財政状況では児童館を増やすことは困難です。
小学生仕様で作られている児童館は中高校生に使いにくい等の理由から、中高校生の児童館の利用は1日平均2人程度という状況です。中高校生の居場所については、区内唯一の中高校生専用施設である「ゆう杉並」の充実を図るほか、新たな多世代交流施設である「コミュニティふらっと」と図書館の複合施設を活用した中高校生の新たな居場所づくりが進んでいます。
子ども・子育てプラザでは、地域のイベントや子育てネットワークを引き継いで、多世代のどなたでも参加できる地域行事をしっかり継続しています。また、放課後等居場所事業では、中高生が小学生に卓球を教えるプログラムの実施例もあり、そのような取り組みの中で引き続き多世代の交流の場も確保されています。
保育園で行っている中核園の取組や区の園長経験者による私立保育園巡回指導等の取組を参考に、学童クラブにおいても、一定数の直営の学童クラブを残し、民間委託した学童クラブの質の確保を図っています。また、障がいを持つ子どもの受け皿も拡充する必要があり、区の直営職員は一定程度、堅持する必要があると考えています。